♪~
<>
♪~
♪~
♪~
<マチダ>
(町田)
<セイリョウトウ>
こちらが星稜刀でございます。
♪~
(町田) ん?
<ヒジカタ>
(土方) ん…。
(町田) あぁ…!
(土方) 政府軍か。
(政府軍) 土方 覚悟!
うっ…。
(土方) どうした?
(土方) なぜ足を止め勝機を逃す。
やあ~!
♪~
ぐっ…!
がはっ!
♪~
(コナン) 星?
<ナカモリ>
(中森) ご安心ください。
<ワキザシ>
この金庫の中に脇差があるのは確認済みです。
現在 夜10時。
(中森) 2時間後まで絶対に破らせません。
<レイジ>
(怪盗キッドの声) 「本日深夜零時
<オノエ タクゾウ>
斧江拓三氏所蔵
<ヒガシクボエイタツ>
東窪榮龍の脇差二本頂戴に参上する」。
ぬうぅ… クソっ キッドめ!
(斧江拓三)出口にある金属探知機は
続けて使ってくれて構わない。
普段から厳重な警備態勢を敷いてはいるのだが…。
(笛の音)
今夜は立ち入り禁止になっています。
(運転手) 修復用の掛け軸を取りに来たんですけど。
(警官) ちょっと失礼。
警備 お疲れさまです。(警官) 問題なさそうだな。
(拓三) <何だって!?>
<ヒサガキスミト>
そうだ 弁護士の久垣澄人だ。
連絡がつかない?ヤツは帰国しているはずだろう!
うっ… うわぁ~!ん?
<モウリ コゴロウ>
(毛利小五郎) ボウズ!キッドキラーだからって
自由にウロチョロしてんじゃ ねえ!
は~い。
<ソノコ>
(テレビ)(園子) う~ん…やっぱ足りないんだよなぁ。
(足音)(テレビ) あ おかえりなさい おじさま。
(小五郎) 話途中でトイレ行っちまって悪かったな。
(テレビ) あら ガキンチョもいたの?
うん 僕キッドキラーだからね。
自分で言うんじゃ ねえ!
大阪の探偵ボウズも一緒だよ。
私も行きたかったわ。(テレビ)(小五郎) で?
<ケイザブロウ>
斧江圭三郎が どうしたって?(テレビ)(園子) あぁ 斧江家の話ね。
(テレビ) 創業者の斧江圭三郎は北海道で活躍した実業家で
斧江財閥の基礎をつくった人よ。
(テレビ) 彼が亡くなった後は
<タダユキ>
一人息子の忠之が後を継いで
さらに事業を発展させたの。
(小五郎) なるほど。
だが二代目・忠之も1年前に病没。
三代目は…
忠之の息子の拓三ね。(テレビ) そう。
(テレビ) でも拓三さんに代替わりしてから
うちと違って事業がうまくいってなかったみたい。
金に困って収蔵品をオークションに出品。
それを まとめて買い上げたのが
<スズキ>
鈴木財閥ってわけか。
でもキッドが狙ってる脇差って
ビッグジュエルとは関係ないんでしょ?
(テレビ)(園子) うん そうね。
<トシゾウ>
圭三郎は大の土方歳三マニアで
ゆかりの品を何でも買いあさってたみたいだけど。
(テレビ) この目録の中に宝石は なかったなぁ。
(小五郎)しかもキッドが狙う脇差は
さほど貴重なものじゃ ない。
東窪榮龍という無名の刀鍛冶が打ったものだと聞いたが。
(テレビ)(園子) ハァ…。
(テレビ) 私はこれから購入リストの再チェックよ。
(テレビ) 斧江家の収蔵品リストと目録が合わなくってさぁ。
(テレビ) 本1冊なんだけど。
<ハコダテ>
(テレビ) おかげで函館行きがパァよ!
(テレビ) キッド様に会えるチャンスだったのに~!
ハハ…。
(職員)念のため掛け軸のご確認を。
(運転手) 問題ないです。
もう一幅 拝見しても?(職員) どうぞ。
(シャッターが下りる音)ん?
(職員) 誰ですか?
<ヘイジ>
(平次) 予告状を出して収蔵庫の方に警備の目を向け
手薄になった搬入口から堂々と盗み出そうってか。
あっ… ちょっと 君!
昨日の夜のうちに収蔵庫に忍び込み…。
あっ。
金庫に入れる前の脇差を偽物とすり替えた。
ホンマは そのまま持って出たかったけど
出口の警備が厳し過ぎてさすがの怪盗も諦めたんやな。
あの あなたは一体…。
予告状に書いてあった「本日深夜零時」っちゅうんは
今から2時間後の夜12時のことやのうて
22時間前の夜12時のこと。
つまり 怪盗キッドは22時間前に
脇差2本を盗みに入った後で予告状を出したっちゅうこっちゃ。
あんたのことも調べさせてもろたで。
福引が当たって 家族で温泉旅行中らしいやないか。
ほな お前は 一体誰やねん。
フッ… ヒヒっ。
♪~
ケケっ!
させるか!
フッ… いただき!あっ!
あぁ…!フッ。
(トランプ銃の銃声)
あっ…!フフっ。
(破裂音)
逃がすか!
(警報音)
何があった!?(警報音)
キッドが!?(警報音)
(中森) <怪盗キッドが出たぞ~!くまなく捜せ~!>
(機動隊員たち) <お~!>
(警報音)
《怪盗キッド…》
《俺は あん時の恨み忘れてへんからのぉ!》
((はわわわわ…))
《怪盗キッド~~!!》
ぐっ… お前だけは絶対に許さへんぞぉ!
(中森) いたぞ! 逃がすな~!《キスの恨み 怖えぇ…》
フッ。
(ガラスが割れる音)(中森) <逃げたぞ~!>
♪~
ありがとよ いつも同じ手に引っかかってくれ…。
ん…!?
怪盗キッドは…。(バイクのエンジン音)
あっ 何やってんだ お前!
ハッ…。
<ユ>
逃がさん言うたやろ~!!
いっ…!ハァ~!
うぅわっ!
うっ… あないな子供だまし
通用するかボケェ!
やるじゃないか 西の名探偵!
やかましい!
おぉ…! おぉっと!
今日という今日は逃がさへんで~!
ちょっ まっ…!
ぐっ…。
もろたぁ~!
ヤベっ!?
うぅ…。
お… お前…?
あっ!
ちょ~待て 怪盗!
そいつは預けておく! うっと…!
また会おう 西の名探偵!
《あの顔…
<クドウ>
工藤にソックリやったな》
《それに声まで…》
♪~
<シンイチ>
<俺は高校生探偵 工藤新一>
<ラン>
<幼なじみで同級生の毛利 蘭と
遊園地に遊びに行って
黒ずくめの男の怪しげな取引現場を目撃した>
<取引を見るのに夢中になっていた俺は
背後から近づいてくるもう1人の仲間に
気付かなかった>
<俺は その男に毒薬を飲まされ
目が覚めたら…>
(コナン)<体が縮んでしまっていた>
<工藤新一が生きているとヤツらにバレたら
また命が狙われ周りの人間にも危害が及ぶ>
<アガサ>
<阿笠博士の助言で
正体を隠すことにした俺は
蘭に名前を聞かれて とっさに
<エドガワ>
「江戸川コナン」と名乗り
ヤツらの情報をつかむために
父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ>
<そんな俺の正体を知っているのは
<ハットリ>
西の高校生探偵 服部平次と
もう1人 俺の宿命の相手怪盗キッド>
<正体不明の怪盗で変装の名人>
<カズハ>
和葉に化けて俺の唇を盗もうとしとった
やらし~やっちゃ!
おいおい! あれは変装に気付かなかった そっちが悪い。
はぁ?こほん!
小さくなっても頭脳は同じ。
迷宮なしの名探偵。
真実は いつも ひとつ!
フッ。
♪~
(漁師) その積み荷で最後か?(漁師) ああ。
(久垣) あぁ…。
(久垣) た… 助けてくれ…。
(漁師)<じゃあ飯でも食ってくか>
あ… あぁ…。
あ…。
(カモメの鳴き声)
(和葉) おはようございます。
あの 出場選手の服部平次って来てますか?
(女性) う~ん まだみたいね。
(和葉) ハァ… ったく平次どこ行ったんやろ。
ゆうべ ホテルの部屋には戻ってこなかったよ。
珍しく「応援に来いや」って言うてたくせに
キッドが出たら ほったらかしや。
(ヒュン)あっ この音…。
♪~
(カチン)
平次 こんなとこで何して…。
<フクシロヒジリ>
(福城 聖) え?
あ ごめん 人違いや。
けど あんた ええ音させてたで。
音って 刀の?(和葉) せや。
<ヒナ>
「樋鳴り」ゆうんやろ?
その音が高いとちゃ~んと刀が振れてる証拠!
カッコええやん!
あっ…。
《まぁ 平次の方がええ音やけど》
コナン君 行くで!う うん。
(かけ声)
(選手) 小手! 面!
<オキタ>
(沖田) 胴!一本!
(歓声と拍手)
(沖田) つまらん つまらん服部のいぃひん大会で
俺の本気 出せへんわ。もう平次兄ちゃんのことは諦めて。
蘭姉ちゃんと合流しよう。
<オ>
おっ ええとこで会うた!
和葉ちゃん!
服部のヤツ来てへんみたいやけど。
朝から姿が見えんようなってて。
今 蘭ちゃんたちと手分けして捜しててん。
<アシタ>
まさか 明日の団体戦にも出ぇへんつもりか?
あたしにも分からんわぁ平次に聞いてみて。
(司会者) お待たせいたしました。
それでは これより福城 聖さんの特別演武を行います。
(女性たちのざわめき)
<聖 カッコいい!>あの人 今朝の。
♪~
ハッ!! エイ!!
すご…。
(カキン)あっ…。
何や あの男が気になるんか?(拍手)
ちゃう ちゃうそんなんちゃうくて。
(沖田) ホンマか?(和葉) ホンマやって!
じゃ 服部に よろしゅうな。(和葉) うん。
(聖) ねぇ君 ピンクのリボンの。え?
朝は どうも。
あ すみません!
特別演武の稽古邪魔してもうたみたいで…!
君がどっかで見てるかもと思ったら
余計 気合が入ったよ。
え?
<ハチマンザカ>
僕は八幡坂大学医学部の福城 聖君は?
<カイホウトオヤマ>
あたしは改方学園の遠山和葉。
和葉 いい名前だね。
改めまして。(和葉) あ… はい。
<センシンソウシ>
俺は京都泉心高校の沖田総司や。
君は剣道界有名人の1人だから知ってるよ。
そら うれしいなぁ。
沖田君は和葉ちゃんの何?彼氏とか?
ん!? んんんん…!ただの知り合いや。
そう。
また会えるといいね じゃ。
ほな…。
<うわぁ~!><聖 演武お疲れ!>
(女性) ねぇ あの子 何なの?ホント。
あん?
クク…!
《服部に見せてぇ~ この場面》
(毛利 蘭)和葉ちゃ~ん こっちこっち~!
(和葉) 蘭ちゃ~ん!待たせて ごめんな!
(蘭) 結局 服部君見つかんなかったね。
(和葉) もう知らん あんなヤツ。
(ヘリコプターのプロペラ音)ん? 何だぁ? うるせぇな~。
<モミジ>
(紅葉) 平次君が北海道の剣道大会に出はるって
あんたが言うから慌てて来たのに。
何で会場に来てはらへんのやろなぁ…。
<イオリ>
(伊織) 申し訳ございません。まぁええわ。
ただ 北海道に来ていることは間違いないようです。
この地には告白絶景ポイントが数多くありますし。
告白?
まさか平次君 葉っぱちゃんに…?
フッ。
それだけは絶対に阻止せなアカン!
<サッポロ>
調べましたところ 札幌に
時計台という告白絶景ポイントがございます。
それや伊織! 札幌に向こうて!かしこまりました お嬢さま。
何だ? あのヘリ。
なぁ せっかく函館に来たんだ。
朝市に行ってうまいもんでも食おうぜ。
(パトカーのサイレン)ん?
何かあったのかな?(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)
行ってみよっか。
(執事)これはまた えらいことで。
<ニシムラ>
(西村) 遺体は?(警官) そこの曲がり角に。
(小五郎)何があったってんだ?
何や 物々しいな。
おう 遅かったやないか。
(和葉) 平次! もう~!もうええか?
(警官) はい ご協力ありがとうございます。
すまんのぉ キッド追いかけて夜通しで函館の町 走ってたんや。
ん…?でも どうしてここに?
向こうのベンチで仮眠 取ってたら警官に たたき起こされて
事情を聞かれてのぉ。蘭ちゃん 何してんの?
《容疑者扱いかよ》
ん?ん~…。
何だよ。いや 何でもない。
はぁ?(西村) <毛利探偵!?>
ん?
(西村) あんた毛利小五郎だよな?
え~っとあなたは どちらさまで…。
(西村) 忘れちまったのか?アハハ…。
北海道警察の西村警部だよ。
<ホクトセイ>
(コナンの声) 北斗星の事件の時会ってるじゃない。
(小五郎の声)あぁ! 私の華麗な推理を
車内で披露しましたなぁ!
ご無沙汰しておりますぅ~!(小五郎)《覚えてなかったけど》
(蘭) あの… 何か事件ですか?
(西村)嬢ちゃんもボウズと来てたのか。
そこで男の遺体が見つかったんだが
妙なところがあってな。
あの事件を解決した名探偵さんよちょっと見てくんねえか?
お任せください!
お前たちは危ないからついてくるな!
う… うん。
《あぁ あの事件 おっちゃんが解いたことにしたんだっけ…》
《解決したの 父さんだったけど》
<ユウサク>
(工藤優作) ハ… ハックシュン!
<ユキコ>
(工藤有希子) あら 風邪?
<ウワサ>
いや 誰かが噂でもしてるのかな?
う~ん 熱はないわね。
ハァ… こりゃひどい。
被害者の身元は?
(西村) 久垣澄人43歳 弁護士だ。
凶器は日本刀のような鋭利な刃物だと思われる。
(小五郎) 鋭利な刃物で…。《久垣… どこかで… あっ》
久垣さんって 斧江財閥の顧問弁護士をしてたりする?
(西村) よく知ってるな ボウズその通りだ。
昨日の事件で世話になった家か。
何か関係がありそうだな。
西村警部 被害者の所持品を見せてもらえますか?
分かった。
航空券とタクシーの領収書?
あと向こうに空のゴルフバッグ。
で スマホは見つからなかった。
今ある情報だと被害者はドバイを昨日 出発し
<ナリタ>
成田に着いてる。
そこから国内線に乗り函館まで来た。
空港からはタクシーを使ったみたいだな。
顔見知りやったか不意を突かれたか。
真正面から斬りつけられとる。
あのゴルフバッグの中身はどうなったのかな?
人1人を斬り殺して
ゴルフクラブ 一式を持ち去ったっちゅうんか?
せやけど どう見てもゴルフ帰りには見えへんで。
あっ… おい 見てみぃ。
左手に何か持ってんで。(西村) 何!?
おい 鑑識さんを呼べ!(警官) はい!
(小五郎) 「東京 教育」?
何だ? 教科書か何かの切れ端か?
《なるほどな》
(警官)バックストップ! スト~ップ!
(小五郎:コナン:平次) え?やっと来たか。
<カワゾエ>
(川添)うわっ またやっちゃったよ
わやだぁ…。川添 てめぇ
今まで何してやがった!(川添) すみません!
調べものしてて!誰ですか? あいつは。
ハァ… 俺の部下だ
<ヨシヒサ>
川添善久巡査部長。
ドジだけど 遅刻するヤツじゃないんだけどなぁ。
(川添) ヘヘヘ…。
そ そうですか…。
(カドクラの声) 毛利小五郎?
(ナチョ) は… どうします?
(カドクラ)フン… 探偵風情に何ができる。
放っておけ。
それよりも先ほど届いた こいつだ。
(カドクラ) 久垣 よく見つけてくれた。
(ナチョ) う…!? くっ…。
フン。
さて 残りは4本か。
(ノック)(ドアが開く音)
(アフロ)ボス 部屋の扉にこんなものが!
この刀をいただく だと? 面白い。
<ナチョホテルの周囲を固めろ 急げ>
(ナチョ:アフロ) <イエッサー!>
「残りは4本」だってよ。
(川添)それでは ご説明いたします。
この男はブライアン・D・カドクラ。
日系アメリカ人の投資家です。
この男の名前なら聞いたことがある。
大富豪でチャリティーに寄付したりする慈善家だろう?
(電話) よくご存じですね。
(電話) ですが それは表の顔です。
(電話) 裏では武器商人として活躍している いわゆる…。
死の商人ってやつです。
そして アジア一帯でも手広く商売していて
<ドウケイ>
道警も何年も前からヤツをマークしていました。
私の進言でね!
川添はこの手のことに詳しいんだ。
今回 カドクラの来日目的は
チャリティーイベントへの出席となっているが… ん?
こちらの写真は?
(電話)(川添) あれっ? あれ あれ?
何でこれが?川添!
飲み物をパソコンの上に置くな!なんと!
ハァ…。
(川添) 話を戻しますと
カドクラが来日した本当の目的ですが
どうやら 斧江圭三郎が隠した宝にあると思われます。
(西村) 斧江圭三郎は戦前北海道で金の鉱脈を掘り当て
<バクダイ>
莫大な富を築いた。
が しかし 彼の死後財産の一部が闇に消えた。
その全てを金塊にかえどこかに隠したといわれている。
(川添) 圭三郎が残したとされる宝が 一体 何なのかは
今も分かっていません。
金塊ではなく 何か強力な兵器だったとする説もあるんです。
圭三郎は戦中 軍需産業にも深く関わってきました。
その過程で手に入れたといわれているんです。
戦況を 一変させるほどの何かを!
えっ…?
戦況を 一変させるやと?
なるほど武器商人が狙いそうな代物だな。
それと 毛利さんにお見せしたい写真があります。
(小五郎) これはカドクラと
殺害された久垣弁護士か?(川添) そうです。
<メイ>
彼は斧江拓三の命を受けて
宝の在りかを ずっと探っていたとみられています。
事業に失敗して金に困っている拓三にとっては
喉から手が出るほど欲しいお宝ということか。
だが そんな久垣が
どうしてカドクラなんかと会っていたんだ?
久垣は雇い主を裏切って
カドクラに お宝の情報を流そうとしていたのかもな。
そういえば 複数の防犯カメラに
ゴルフバッグを持った久垣の姿が写っていたらしい。
ただゴルフバッグの中身については確認できていない。
ゴルフバッグの中身 そら多分…。
刀。刀。
あと あの紙は銃砲刀剣類登録証。
ああ 都道府県の教育委員会の審査を受けて登録される。
そやから もし東京で登録されたもんやったら
東京都教育委員会の文字が入ってる。
問題の刀は恐らくドバイで買ったものだろう。
もちろん表立って そんなもの持ち込むことはできねえから
ひそかに裏のルートを使った。
登録証は偽造やろな。
まぁ ぎょうさんの刀が海外の好事家の手に渡ってる。
(平次の声)久垣弁護士が探してた日本刀が
たまたまドバイにあっても不思議やない。
買い取った刀を日本に持ち込んだ途端
久垣弁護士は殺害された。
犯人の狙いは当然 その刀にあったと考えるべきだろう。
よっしゃ後で西村警部に伝えとくわ。
(紅葉) アカン… 平次君どこにも いはらへんなぁ。
ホンマ どこに行かはったんやろ?
(伊織) お嬢さま。
<オタル>
もしかしたら小樽かもしれません。(紅葉) 小樽?
今からですと 夕暮れに
<トモ>
ガス灯が灯る小樽運河は
告白絶景ポイントとしてムード満点で…。
そこや! 伊織 小樽や 小樽!
かしこまりました お嬢さま。
フゥ…。
ボス! 警察がこっちに向かっているようです。
どうします?構わん 来たら通せ。
警視庁捜査二課の中森だ。
怪盗キッドから予告状が届いたそうだな。
キッド? 一体 何のことだか第一 この部屋に
怪盗に狙われるような お宝などありませんよ。
それにしては随分と物々しいじゃないか。
(カドクラ) 気になるかね?
なるほど だが気になるといえば
なぜ たった1人で乗り込んでこられたのか。
警視庁の警部さんでしょう?
部下は どうされましたか?
<アイトウ>
これは私の愛刀でね無銘なれど切れ味は逸品。
お前が狙うナマクラ刀とは違うんだよ!
怪盗キッド!
いっ…!
(部下) うわっ…!(部下) 何だ!?
(部下) 見えねえ!
(カドクラ) おのれ! ぬんっ!
ぐっ! うわっ…!
(部下たちのせき込み)
ボス!
ケケっ!
あれはキッド!
カドクラのホテルからだ!しっかりつかまっとけよ 工藤!
(拓三) キッドが刀を?
そうか…ようやくツキが回ってきたな。
♪~
<ナカムラ>
(中村)この新しい「ひとくちルマンド」は
< ミヤセ>
(宮世)
ちょっと待った!
今回は「ひとくちラングレイス」のCMです
そうなの?
<ひと味ちがう、ひとくち。>
<ラングドシャ生地のサクほろ食感>
ブルボン「ひとくちラングレイス」
「ひとくちルマンド」も
(新しい学校のリーダーズ)
♪ どんな時でも心は一つ
♪ みんなで一緒に歌えば一つ
♪ くじけそうになっても
<きゅんと あまずっぱフルーティー>
<ブルボン
「フェットチーネグミ」>
<エージーデオメン>
(坂口)≪いい汗をかく でもそれは
やがてニオイやヨゴレというノイズになる≫
≪そのノイズを洗い流して≫
<エージーデオ デオトラントボディソープ>
やっと 一息つけるぜ。
この刀に 何があるってんだよ
お…。
えっ…?
うわっ! 何だ!? ハッ…!
え…? うわぁ! おぉっ…。
誰だ!
ハッ!
おぉわっ…!
♪~
(トランプ銃の銃声)
あぁっ!
おわっ…!
ぐっ…!
くっ…。
ふっ!
♪~
フッ… なかなかやるようやな。
あっ!
<メクギ>
何や!? 目釘が抜かれとる!
ぐっ…。
♪~
狙いが定まんねえ…。
キッド どけ!
いっけぇ~~!!
いっ…!
わっ!
ハッ 今や!
♪~
待たんかい!
(車のエンジンの始動音)
(車が急発進する音)
逃げられたか。
大丈夫か? 服部。俺は平気や。
けど そちらさんは…どうやろうなぁ。
お前の目的は何だ?
それを調べるのが探偵なんだろ?
…と 言いたいところだが。
危ないところを助けてもらったからな。
礼代わりに教えてやるよ。
ま 簡単に言えば好奇心ってやつさ。
ある男が あるとんでもないお宝を盗もうとしていた。
だが そいつはそれを盗むことなく消えちまったんだ。
俺は ただ知りたいだけさ。
そいつが狙っていたお宝が何なのか どこにあるのか。
そして なぜ盗まなかったのか。
その男が狙っていたのが斧江圭三郎のお宝ってことか?
恐らく。
せやけど お前と同時にカドクラや拓三も動き出しとる。
偶然では片付けられへんで。
つい最近 宝を隠したとされる
斧江圭三郎 直筆の書き付けが見つかったからだろう。
そこには ただ一言
「東窪榮龍」と書かれていた。
この脇差を作った人だな。
東窪榮龍が作ったとされる刀は全部で6本。
それを全てそろえると
宝の隠し場所が分かるんじゃないか。
そういわれている。なるほど。
せやから拓三は手元になかった4本の刀の行方を
久垣に探らせてたっちゅうわけか。
うち2本が そいつだ。
そして 6本のうち3本が ここにある。
あと1本は 昨日 お前が。
あら 警察に届けたわ残る2本の在りかは どこや?
<リョウエ>
函館の高校教師で 福城良衛というヤツが持っているらしい。
高校教師が?
今は病気で学校も辞め
家に閉じこもっているみたいだが詳しいことは分からない。
お前を襲ったお面野郎の正体に心当たりは?
さぁな。
剣の腕前は相当なもんやったけどなぁ。
そうだな。
<ジュウモンジ>
十文字の切り口…。
久垣弁護士の遺体に残っていたんと同じやな。
つまりヤツが久垣殺しの犯人…!
そうだとして どうしてヤツは俺の居場所が分かったんだ?
ん?
こいつをたどったんだろう。
発信機か やるねぇ。
おめぇも よく使う手だろうがよ大泥棒。
てめぇには言われたかねえよ名探偵。
ちょ~待て!刀とお宝は どうすんだよ!?
刀は やるよ!
こういう謎解きはお前らの方が得意だろ?
んじゃ よろしく!
あいつ!あいつ!
なぁ 工藤。ん?
お前 ひょっとして兄弟おるんとちゃうか?
何だよ 急に。
<オ>
ゆうべキッドと やり合うた時顔が見えたんやけど
あいつお前にソックリやったんや。
はぁ?声まで お前と似とったからなぁ。
たまたまだろ。たまたま?
あっ。
そ 他人の空似。
たまたまだよ。
ほぉ~ん。
フッ… ま ええか。
(和葉) ごめんな。
楽しいもんやから終点まで乗ってしもた。
(蘭) ううん 私も路面電車乗ってみたかったし。
(2人) フフフ…。(車のクラクション)
(2人) あっ。
もしかして 毛利さんの娘さん?
ここやな。
福城さんのこと西村警部に知らせたか?
ああ 刀預けついでに
ここで 合流することになってんねやけど…。
(クラクション)ん?
あれか?
あっ 平次。和葉 お前 何でおんねん。
ホントすみません。
お2人をホテルまでお送りするはずが
途中で西村警部からここに寄れと。
あ 私たちのことは気にしないでください。
どこかでタクシー拾いますから。
(鼻歌)
あ~ おった おった!
え? 沖田君試合の方は どうしたの?
(沖田) ああ 途中で棄権したわ。
服部のおらん大会なんてつまらんし
こら 一言 文句言わな気ぃが治まらへんなぁと
あちこち捜しとったんどすえ~。
《ど…》《どすえ?》
おい あいつキッドだ。ああ。
<ツコ>
けったいな京都弁 使うて何しに来よってん。
和葉ちゃん!あっ 福城さん。
《か… 「和葉ちゃん」!?》
和葉ちゃん 知り合いなの?
<オ>
うん 今朝の大会で会うてな。
沖田君も 一緒かうちに用事なら どうぞ入って。
あ 私やないんやけど…。
まさか また会えるとはねいつまで函館にいるの?
<アサッテ>
(和葉) えっと 明後日までやけど。
もしよければ函館の絶景ポイントを一緒に…。
待て 待て 待て 待て 待て 待て!
何や お前は!和葉に なれなれしぃしよって!
えっと 君は誰?
服部平次 和葉の幼なじみや。
なるほど 子供の頃からの単なる知り合いか。
だ… 大体 和葉はなぁ絶景ポイントなんか興味ないんじゃ!
それに そんなとこ お前なんかと絶対 行かへんのや ボケェ!
平次…。
服部平次 その名前 思い出したよ。
今大会 優勝候補の1人だがなぜか試合には出なかった。
まぁ いろいろあっての。
じゃあ僕と勝負しないか。
剣を振りたくてウズウズしてるだろ?
勝負やと?
僕が勝ったら彼女に函館を案内する。
え?俺が勝ったら?
函館イチの絶景ポイントを教えてやる。
絶景ポイント… し しゃ~ないな。
《今あいつラッキーって顔した》絶景ポイントなんか1ミリも
興味ないけど まぁ勝負したるわ。沖田君 止めて。
え 何で? オモロそうどすやろ。
もう!
先に気を失った方が…。
負け… で 構へんで。
《この男…》
《やりおる》
えいや!
ハァア!
(福城良衛) やめんか 2人とも!
あっ。あっ。
あっ。
聖 一体 何事だ?
庭先で勝負とは穏やかではないな。
騒がしくしてごめん 父さん。
玄関の掃除は済んだのか?
終わってるよ。なら いい。
玄関の気を整えることで自然と良い運気が流れるからな。
はい。
(良衛) それで あなた方は?
福城良衛さんですね?道警の川添といいます。
斧江圭三郎が隠した宝の件でお話を伺いたいのですが。
なるほど家の中で話しましょう…。
(せき込み)
じゃあ 私たちは これで。先にホテル帰ってるで。
<>
(せき込み)
(川添) 大丈夫ですか?ええ。
長く患っているものですから。
失礼しました。
東窪榮龍の刀が 斧江圭三郎の宝の手がかりとなっている。
その件は聞き及んでおりました。
いずれどなたかが訪ねてくるだろうと。
福城さんがお持ちの刀2本は
どんな経緯で手に入れたのですか?
私の曽祖父が 斧江圭三郎ご本人から賜ったと聞いています。
曽祖父は郷土史を研究していて
土方歳三に心酔していた斧江圭三郎さんと
話が合ったようです。
あのぉ 刀を見せていただけたりなんて… しますでしょうか?
分かりました。
聖。え でも…。
持ってきてあげなさいあの絵も一緒にな。
はい。
良衛さん。ん?
あっちのお部屋 見てもいい?(良衛) ああ いいよ。
やった!
居合道大会。
すごいね これ全部 聖さんのだ。
良衛さんも居合をやってるの?
うちは代々 居合道の師範を務めてきていたんだ。
私は筋が悪くてすぐに辞めてしまったけれど
聖は福城家の先人たちをしのぐほどの腕前になってねぇ。
まあまあ自慢の息子だよ。
それ 「まあまあ」じゃないでしょ。
こ… これが 東窪榮龍の刀!
久垣が持ち帰ってきたのと形状は 一緒やな。
それと もう1つ。
何や この紙切れは。
(良衛) 刀と一緒に賜ったものだそうです。
どんな意味があるのか私には見当がつきませんので。
さぁ 持っていってください。
ありがとうございます… ん?(電話)(振動音)
丁寧に扱ってくれよ。(電話)(振動音)
もちろんや。はい… え?
それは本当ですか!?
斧江拓三が襲われ病院に搬送されたそうです!
久垣弁護士のことを聞き
函館警察署に向かっていたところ
急にトラックがぶつかってきて…。
うっ イタっ。
ただの事故なんじゃねえのか?いえ あれは事故などではない!
わざと ぶつかってきたんだ!
うあっ…!おっと! おいおい。
大丈夫か?はい… すみません。
ほんで 犯人に心当たりは?
話を聞く限りカドクラの手の者としか。
動機は お宝か?
祖父が隠した宝を狙っているのは明らかです。
皆さんに託したいものがあります。
(拓三) こちらが脇差と共にわが家に保管されていたものです。
宝を探すために必要なものだと。
いわゆる宝の地図ってわけか。
(拓三) でも もういりません。
宝からは手を引きます。
命をなくしては何にもならない。
信頼していた久垣だって…。
うぅ…。
(足音)(座る音)
ん?
ゆうべキッドを追いかけて函館中を走り回ってた
…って言ってたけどあれウソでしょ?
《ギクっ》(蘭) その地図
観光名所の所に印が付いてた。
ホントは 回った所チェックしてたんじゃないの?
あ… よ よう見てるやないか。
さすが工藤の… その…。
(蘭) 函館山には行った?
あんな山登ってもしゃあないやろ。
服部君 知らないの!?
函館山から見る夜景は
100万ドルの夜景っていわれてるんだよ。
な… 100万ドル!?
すっごいロマンチックなんだって私なら 絶対あそこが…。
なぁ ちょっと聞きたいんやけど。ん?
100万ドルの夜景っちゅうんは
ビッグベンより上か?
えっ…。
((鐘の音))(新一)((好きな女の心を…!))
うん! 断然上よ!
《新一 ごめん… 今は服部君を後押ししなきゃなの!》
そうか ビッグベンより上か。
(ぶつかる音)(小五郎) <うおっ!?>
あぁ 悪い悪い。(小五郎) …ったく 気を付けろ!
(中森)毛利探偵と西村警部は当面
久垣弁護士殺害事件に集中することとなった。
この刀の謎は われわれで解かなくてはならない。
ここにある刀は 怪盗キッドが狙っていたものでもあります。
《こいつ堂々と入り込みやがって》
それに 今回 二度にわたってキッドを目撃した
服部君 江戸川君の2人と…。
昨日は どうも~。
何で いるの?
大親友の平次君が どうしても一緒に来てくれっちゅうんで
ついてきたんどすえ~!
こいつの京都弁 腹立つわ~。そだな。
(中森) 斧江拓三氏が提供してくれた この表に
何か あるんじゃないか?
いろは48文字が書いてあるね。
(沖田)順番はメチャクチャやけどな。
<ウチガタナ>
昨日 キツネ野郎と戦った打刀はこれや。
この刀には目釘と目釘穴があらへん。
目釘?見てみぃ。
<ツカ>
刀身が柄から外れんように留めておく釘みたいなもんや。
神社の奉納刀だと 目釘のないものもあるらしいけど
これは そうじゃないから
そこに何か意味があるんじゃないかな。
ああ それとこの刀にも目釘がない。
2本ともカドクラが手に入れたやつやな。
他の4本にはちゃんと目釘がある。
ん…。
なぁ 金づちってあるか?(川添) あっ はい。
(川添) 目釘穴というのはいろんな形があるんですねぇ。
ただ目釘穴は本来正円が最良とされてんねや。
刀への衝撃を広い面で受けられるしな。
正円でいいのなら 全部正円にすればいいんじゃないか?
妙な形にせなアカン理由が何か あったんやろ。
こんな感じでしょうか。
丸と半円 それに星形。
何のことだかサッパリだ。
(川添) そうですねぇ。
(沖田) 月… なんじゃないか?
ん?
夜空に輝く月さ。
空を飛ぶ時は いつも目印になってくれる。
目釘穴のない刀が表しているのは新月だ。
半月の1つは上弦の月1つは下弦の月。
正円は満月さ。
空を飛ぶって お前
空が飛べるのか?えぇ!?
いや 例えばや!例えばの話どすえ!ん~?
ねぇ 斧江圭三郎さんは土方歳三のファンだったんだよね?
だったら土方に ちなんだ何かなんじゃない?
確かに その線もあり得ますねぇ。
土方と月…。
(電話)(振動音)ん?
(中森) ダメだ サッパリ分からん。(川添) そうですねぇ。
少し土方歳三の歴史を調べてみますか。
もしもし 誰や?
<サブ>
(電話)(紅葉) 寒い!
(紅葉) あっ 平次君!やっと出てくれた!
(電話) も 紅葉?何でこの番号 知ってんねや。
ウフフ 伊織にちょっと調べてもらいましてん。
(電話) ほな昨日から知らん着信がぎょうさんあったんは まさか…。
はい! ウチです。
ウチ 平次君を捜して
<アバシリ>
札幌 小樽 網走 回って今
<ワッカナイ>
稚内です。
ほら 見えます?
(電話) こちらが日本最北端。
ハァ… そんなもん見てる場合ちゃうんや。
(電話) 俺 今 事件の捜査中で…。
あれ? そのホワイトボード…。
ちょっとよう見せてもらえません?
はぁ?(電話) ええから 早く。
ん~…。
土方はんと月…。
それが事件と何か関係が?
(電話) 関係あるかもしれんしないかもしれんし…。
あつ それ 土方はんの
<ホウギョクホックシュウ>
『豊玉発句集』と違いますの?
ホーギョクホック? 何や それ。
<タマ>
(紅葉) 土方はんは多摩にいた頃俳句をよう詠んではって
それを集めた冊子の題名が『豊玉発句集』。
<シンセングミ>
(電話) 新撰組 鬼の副長が俳句ねぇ。
(電話) ほんで そのホーギョクホックがどないやいうねん。
『豊玉発句集』には41句がおさめられてます。
そのうち月が出てくる句は6句。
5番目の…。
(紅葉) 19番目の…。
(紅葉) 20番目。
22番目。
35番目。
36番目。
あっ!これや! でかしたで~ 紅葉~!
(電話)(通話が切れた音)あっ! もう! 平次君!
今どこにいはるんか聞いてへん!どないしょう 伊織!
お嬢さま 土方歳三といえば
<ゴリョウカク>
五稜郭ではないでしょうか?
あそこには五稜郭を一望できるタワーもありますし。
五稜郭ゆうたら函館…。
もう! 最初にいた所やないの!
いわばクロス表やな。
表自体はシンプルなもんや。
肝心なんはそれを読むためのカギ。
それが『豊玉発句集』の6つの俳句だね。
最初は5番目の句。
0から9がそろっているのは上の列。
つまり 番号の 一の位が上十の位が左の数字と分かる。
そうなると5番に対応する文字は…。
「ほ」 やな。
次は19番 1と9。
「く」だ この調子で残りは…。
20番 22番 35番 36番。
順番に並べると…。
「ほくとう」いうんは方角のことやろうけど…。
「おに」て何や?
北東… もしかして!前にテレビで見たことがある。
五稜郭をつくった時北東が鬼門に当たるから
そこに神社を建てたって。なるほど。
「北東に鬼」。
目釘穴の星形は五稜郭か!うん 間違いないと思うよ。
よ~く見たら
<ツバ>
この6つの刀の鍔を合わせると
五稜郭の形になってるみたいだしね。
ということは その神社にお宝が?(川添) あっ でも
今は残っていないそうです。(中森) 何?
(川添)五稜郭は1864年に完成して
その際 北東の鬼門に
鎮護の東照宮を建てたとあります。
ただ 直後の函館戦争により
社殿は焼失しているとか。
ダメか…。いや 焼けた後
別の場所に移ったはずだよ。
斧江圭三郎さんがこの暗号を作ったのは
戦前から戦中にかけてだから函館戦争より ずっと後だよね。
だったら 暗号が示しているのは移転後の場所なんじゃない?
なるほど。確かに 社殿は焼失しても
御神体は無事だったそうです。
市内を転々とした後 今は北海道東照宮という名前で…。
ん?何か襟の所が膨らんでますよ?
え?
これは 盗聴器だ! いつの間に!
あの時だ 病室で…。
斧江拓三! あの野郎…!
私 西村警部に報告してきます!
やられたのぉ。
俺らに謎解きをさせ先回りしてお宝を奪う気や。
ああ カドクラたちが拓三をマークしてるのなら
彼らも お宝に。完全に後手に回されてしもた。
…って 沖田がおらん!何!?
キッドのヤツ…!
(拓三) そうか 分かった フフ…。
北海道東照宮に向かうぞ!
(カドクラ) ついに動いたか。
そのまま拓三から目を離すな。
フン 宝はわれわれのものだ。
(扉が開く音)
<ミコ>
(巫女) 参拝の方でしょうか?
突然 申し訳ありません。
私 毛利小五郎という探偵でして。
はぁ…。
実は さる方の依頼で
斧江圭三郎氏ゆかりのものを探しています。
こちらに 何か そうしたものがありませんでしょうか?
ん…。
いえ 当神社に そのようなものは。
そうですかいや これは突然 失礼しました。
♪~
ん?
材質が違う?
これは…?
大正解!
よっと!
悪ぃ 川添から連絡が来て遅くなっちまっ…。
(寝息)
これが噂の眠りの小五郎ってやつか?
♪~
やっと お宝とご対面か。
♪~
ん?
そこまでだ キッド!
さすが 早いな。
そのお宝 お前に渡すわけにはいかんからのぉ。
上等だ 取れるもんなら取ってみろってんだ。
なっ…!?うっ… クソっ 見えねえ!
あっ!
ちょろいもんだぜ。
ん…!?
ご苦労だったな。
さぁ そいつを渡…。(車のスキール音)
あっ…!
あぁ!
(車の走行音)うわっ…!
(銃声)
(銃声)うおっ!
(アフロ) 落ちてくたばれ 怪盗!
(銃声)しまった! ヤツら 容赦ねえな。
フン! え~い!
ハッ! フッ。
何だ あいつ!(アフロ) 追うぞ ナチョ!
そっちはそっちで うまくやれよ探偵ども。
♪~
まだ 追ってきてるか!?ああ!
(急停車する音)
(どよめき)
あれは服部? 何してるんや?
服部!
あぁ!
工藤!
わぁっ!
あぁ…。
えっ 聖さん!? どうして…。
(聖) 君たちが すごい勢いでチェイスしてるのを
見かけたから 気になってね。
ひょっとして 和葉ちゃんも…。
あっ… おっと!
それどころじゃないな!
クソ~! 何であいつが!?
(手下)おい 小僧! その箱を渡せ!
ここは任せて逃げろ。でも…!
(手下たち) うっ…。その代わり
僕が助けたってこと和葉ちゃんにも伝えといて。
待ちやが…! ぐがっ!
う…!
(聖) さぁ 本気を出そうか。
(女性) キャっ! 何!?
ハァ ハァ ハァ…!
(銃声)
うわっ!(銃声)
みんな逃げて! 今すぐ逃げて~!(悲鳴)
(銃声)
うわっ!
うぅ…!
よっと!
ガキ1人に てこずりやがって。すみません!
俺がやる。
よぉ飛ばされる日やのぉ 工藤!
よくキャッチされる日の間違いだろ?
(銃声)
(パンクする音)(平次:コナン) うわっ!
うぅ…!うぅ!
あっ!あっ!
な 何も入ってませんぜ!
出せ!
仕切り直しだ!
どうなってんだ クソっ!
(電話)(振動音)
(電話)(呼び出し音)何で出ない!
(パトカーのサイレン)ん?
(女性) 映画の撮影してるよ!(女性) カッコいい~!
な 何なんだ…!
斧江拓三 もう諦めろ。(手錠をかける音)
と 取引しないか?俺はカドクラの情報を持ってる!
連れていけ。はい!
行くぞ。
(平次の声) 大丈夫か? 工藤。
ああ ちょっと擦りむいただけさ。
それにしても 空っぽってどういうことやねん。
大騒ぎだね。ん? あっ! お お前!
何で あんなとこに おったんや!
なっ…!診せてみろ。
ちょっ な 何すんねん!(聖) 痛いんだろ?
痛ないわ!
剣道大会の会場で君たちを見かけてね。
幼なじみの君に ついていけば和葉ちゃんに会えるかもって。
和葉ちゃんやとぉ!?
(聖) よし 骨には異常はない。余計なことすんな!
この程度ならじきに痛みは消えるよ。
次は君だね。
聖さんは医学部なんだよね?
そう 亡くなった母が医者だったからね。
その影響かな。
よし。
これで大丈夫。
ありがとう… あっ。
(西村) 福城 聖。ん…?
<サヤ>
お前の刀の鞘から久垣弁護士の指紋が出た。
(聖) え?
(西村) 殺人の容疑で逮捕する。なっ…!?
ちょっ…!
ちょっと待ってよ 俺は何も…!
(西村) 話は署で聞くからよ。
(女性) あの すみません。ん?
警察の方でしょうか?はい。
私 北海道東照宮で巫女をしています。
<ヨシナガ ミコ>
吉永神子と申します。
川添! 何してる 行くぞ!あぁ はい!
お話ししておかなければならないことがあって
警察に電話したら こちらへと。
あぁ~…。
私は行かなければならない。
なので あの2人に話しておいてください。
ん?ん?
ねぇ お父さんハンバーガー食べたぁい!
箱の中身が盗まれた!?どうりで軽いはずや。
(神子) 数年前になりますがまだ犯人は捕まっていなくて。
その刀の来歴については私たちも よく知らないんです。
ただ 名前が星稜刀である とだけ。
どんな刀やったか覚えてるか?(神子) 鍔と目釘穴に
特徴がありました。特徴?
はい 鍔には星形の模様が彫られていて。
星形?
(神子) こんな感じでした。
星と…。目。
鍔は五稜郭を意味してるかもしれへん。
ああ… それじゃあこの目が目釘穴ってこと?
(神子) ええ 穴は正円だけど
それを囲むように アーモンド形の模様が入っていて
まるで人の目のように見えるんです。
あ それと… 刀とは別に
こんなものが代々 保管されてきました。
古い絵だね。
星稜刀と一緒に 当神社に納められたらしいのですが…。
あっ。
おい 服部。ん?
良衛さんから預かった絵持ってきてるか?
バッグの中に入ってんで。
この絵と重ねてみてくれ。
あっ そういうことか!
これは…!
ふ~ん。
(コナンの声)五稜郭の位置がピッタリだ!
これは偶然じゃねえぞ。
何か ここが燃えてるみたいやな。
あっ そういえば こんな話を聞いたことがあります。
戦時中のことらしいんですが
ある夜一度だけ五稜郭が燃えたと。
五稜郭が!?はい。
堀が燃えて星形が闇夜に浮かび上がって…。
ちょうど こんな感じに。
《そういうことか…》
《情報を整理すると
脇差には いろはの文字の表
福城家にあった刀と東照宮の刀には
それぞれ函館の絵》
《ということは…?》
あっ… フッ。
(電話)(カメラのシャッター音)(紅葉) 伊織 うまく撮れました?
ベストショットでございます。
おおきに! けどホンマ土方はんて男前やわぁ。
まぁ 平次君の方がもっと…。
って 平次君どこにもいはらへんやん!
(伊織) 申し訳ございません。
私としたことが 告白絶景ポイントを1つ失念しておりました。
(紅葉) どこや? 言うてみ。
あちらに見えます 函館山です。
ロープウエーに乗って頂上から見える夜景は
100万ドルといわれ…。
100万ドル… 意外と安いけど。
そこや!
平次君は絶対に そこにいてはる!すぐに向かうで。
それが お嬢さま。ん?
(伊織) 予報によれば 本日夜から大雨のようです。
大雨?
ほな 今夜のうちの告白はなさそうやなぁ。
その代わり明晩は晴れ渡るそうで。
(紅葉) そう…。
ほんなら明日の夜みたいやなぁ。
Xデーは。
(聖) だから僕は人殺しなんて…。
だったら何で鞘に被害者の指紋が付いている?
分からない。
今 刀の方を調べている。
血や脂は落としても すぐ分かるぞ。
僕は やっていない!
これは何かの間違いだ。
(支配人)そう おっしゃられましても
お客さまのことをお教えするわけには…。
そこを何とか…!<いい判断だ 支配人>
だが私の質問には答えてもらうぜ。
(支配人) あっ… はい。
久垣が ここに泊まる予定だったと聞いているんだが。
本人宛てに荷物が届いていないか?
(キーボードを打つ音)
ええ お荷物を1点お預かりしております。
差出人は 久垣さまご自身です。
フッ… それを見せてほしい。
白黒写真が2枚。
(西村)星稜刀というのは… こいつか。
裏を見て。
(西村) 「斧江圭三郎」。
もう1枚は 五稜郭の中心で撮られたものみたいだね。
(西村) 気球? 何のために?
何かの観測をしてるようだけど理由は分からない。
それに 光の反射を見ると恐らく
気球の床がガラス張りになってる。
ただの観測やったら
わざわざ大事な刀を持っていったりせんやろうしな。
お宝を探すヒントは出そろったようだ。
あとは お前らの推理を…。
ゲッ!(中森) 見つけたぞ 怪盗キッド!
確保~!(機動隊員たち) はい!
(中森)西村警部は取り調べ中のはずだ!
ったく 慌ただしいやっちゃ。
けど 宝 探すにはまだピースが足りひんのぉ…。
う~ん…。
もしかしたら良衛さんの所に何かあるかも。
(蘭) お父さん 電話何だったの?
(小五郎)これからまた捜査会議だとよ。
えっ また?もうクタクタで…。
さっき署の中でうたた寝しちまったよ~。
ふあぁ…。
久垣殺害の容疑者として福城 聖が捕まったんだ。
えっ 聖さんが!?何で?
(小五郎) ああ… 下に降りながら話してやるよ。
おかげで今日も徹夜だガキの面倒 見ててくれ。
ん~ まったく 訳分かんねえよ。
(男の子) おじさん ここすごいよ。ん?
ねぇ 下を見て。
う… うっ…!?
ひっ… ひぃやあぁぁ~!
(カラスの鳴き声)
うっ…! あっ! あぁ…!
だ 大丈夫? お父さん!もう しっかりして!
ん~ おいしい。
(蘭) 警察まで すぐだから。(小五郎) ああ 頼む。
(紅葉) どないしたん?いえ 何でも。
どうかしたの? 和葉ちゃん。
聖さんのことで少し気になることあって…。
事件に関すること?
そうなんやけど それが何なんかハッキリせぇへんねん。
(バイクの走行音)
あっ あの音 服部君じゃない?(バイクの走行音)
(バイクの走行音)ちゃう ちゃう!
平次のバイクの音はあんなんやのうて…。
音が 違う…。
あっ! そうや! 音や!
(戸を開ける音)
カドクラの手が回ったみたいやな。
良衛さんを捜そう。
ここも荒らされて…。
あっ 血や!
強引に連れ去ったみてぇだな。
良衛さんから宝について
知ってることを聞き出すつもりなんやろ。
また先手 打たれてしもたな。
なぁ 何か違和感ねえか?
ん?
北枕だ。
亡くなった人を北向きに寝かすっちゅうやつか。
良衛さんは運気を気にするような人だった。
ということは…。
これは!良衛さんのメッセージか?
襲撃を察知してとっさに血で書き残したんだ。
北枕で違和感を覚えるようにして。
血痕が その時のもんやったらええんやけどな。
赤い星というと 五稜郭が燃えたという絵が思い付くけど…。
せやけどあの絵が何を意味するかも
分かってへんねんで?(電話)(カメラのシャッター音)
(西村) ダメだ ダメだ。
殺人事件の被疑者と面会なんてとんでもない!
<オヤジ>
あいつの親父さんがさらわれたんやで!
その件についてもこちらで捜査をしている。
(警官)ダメダメ この先 入れませんよ。
ちょっと通してくれへん?
服部平次っちゅう探偵が来てるはずなんやけど…。
おう 和葉 こっちや!あっ 平次!
何しに来たんや こんなとこに。
聖さんのことで気付いたことがあんねん。
気付いたこと?あたし 昨日 大会が始まる前に
聖さんが1人で居合の稽古してはるとこ見てたんや。
ほう そやけど久垣弁護士は
その時刻やったらもう殺されてんで。
アリバイの証言には ならへんぞ。
そうやない!そん時 刀を鞘におさめる
カチンていう音を聞いたんやけど…。
((カチン))
その音と後で演武会で聞いた音が…。
((カキン))
ちゃうねん!ん?
<チゴ>
多分 鞘が違てたんとちゃうか?それはあるかも。
誰かが聖さんの鞘を偽物とすり替え
聖さんの鞘に久垣弁護士の指紋を付けて殺害し
後で また戻しておいた… とかね。
それや!
でかしたで 和葉!よう気ぃ付いたのぉ!
ヘヘ…。
このこと 聖に確認してくれ。
それと もう1つこれも聞いといてくれへんか?
何だこりゃ… まぁいい。(小五郎) アタタタ…。
写真を送っといてくれ。(警官) 大丈夫ですか?
お父さん しっかりしてよ!小五郎のおじさん どうかしたの?
コナン君! さっき展望台でガラスの床に乗っちゃって
ビックリして腰打っちゃったの。
ハハ… 無理しないでね。
ん?
中森警部 どうかしたのか?
先ほど 拓三がカドクラの隠れ家を吐いた。
なので われわれ警視庁はこれから そこに。
了解した そちらは任せる。
刀の鞘が入れ替わっていた?
言われてみれば 早朝の稽古の時違和感があった。
分かった。
鞘の再鑑定と刀の鑑定結果が出次第
家に帰れるようにしよう。ハァ…。
(西村) それと こいつで何か思い当たることはないか?
お前の親父さんの部屋にあったものらしいが。
分かりません。
雨か。
♪~
♪~(カモメの鳴き声)
♪~
ハッ!
あの野郎!
<雨 残念だね>
<えっ 人が飛んでる!?>
逃げろ~!!
(銃声)(拓三) ぐわっ…!
あぁ…!
あっ!
あがっ…!
チッ 外したか。
(銃声)
ぐっ…!あっ!
う… うぅ…! ハァ…!
(中森) あっ…!
♪~
(銃声)ぐぅ~…!
クソ… 邪魔しおって! ん?
カドクラ~~!!
(トランプ銃の銃声)
何!?
(カドクラ:ナチョ) か… 怪盗キッド!?
何でお前が…! チッ!
♪~
♪~(車が急発進する音)
♪~
♪~中森警部…。
♪~
♪~(遠雷)
♪~
拓三は死んだぞ フン。
悪魔め。
♪~
(医師) 意識は?(看護師) 反応ありません!
(医師) 急げ!
肩と背中に被弾しているそうだ。
ヤベェぜ ありゃあ…。
(阿笠) イェ~イ!来た 来た 来たぞい!
北の大地~!
<ミツヒコ>
(光彦) 思っていたより早かったですね!
<アユミ>
(歩美) 新幹線 カッコ良かった!
<ゲンタ>
(元太)駅弁もたっぷり食べられたしな!
<ハイバラ>
(灰原) 誰かさんが 「どうしても北海道新幹線に乗りたい」
…って言うから。(阿笠) まぁ そう言うな。
飛行機ばかりじゃ味気ないじゃろう。
<ダイゴミ>
旅の醍醐味は列車じゃ。(3人) やった~!
オッホン!盛り上がってるところで…。
(光彦:歩美:元太) うっ…。クイズタイムじゃ!
(光彦:歩美:元太) え~!
あの新撰組・土方歳三が
函館で失敗したことはどちらでしょう?
(3人) う~ん…。
<イチ>
ハァ… 答えは壱五稜郭で五両 欠く。
正解!さすが灰原さん!
続いて 第2問!
いいかげんにしましょう!(阿笠) はい。
<アオコ>
(青子)お父さんのことで 皆さんに
心配かけちゃったみたいですみません。
(青子) さっき手術は終わって今は集中治療室ですけど…
意識は まだ…。
そうか。(青子) あ!
<ギンゾウ>
私 中森銀三の娘の青子です。
よろしくね ボク。
よ よろしく…。
(看護師)あの 警察の方はこちらに?
何か?(看護師) お電話が入っています。
カドクラさんという方から。
(西村) 何だと!?
何のつもりか知らねえがお前らの居場所を明らかにし
良衛さんを解放しろ!
(端末)(カドクラ)ああ 返してやるよ ただし…
宝と引き換えにな。待て!
宝の在りかはまだ分かってへんねや!
(端末) だったら早く見つけろ西の名探偵。
良衛さんと話をさせてくれ
あの人が手がかりを知ってる可能性があるんや。
良衛は何も話す気はないようだぞ。
(良衛) いや そうではない。ん?
黙っていたのはお前たちには話す価値も…。
(せき込み)
(端末)(良衛)私は ある人物の依頼を受け
斧江圭三郎の残した宝を探し続けてきた。
宝の中身は 私も知らない。
唯一 分かっているのは
当時の戦況を一変させるような兵器だったことだけだ。
((爆発音))
ある人物の依頼やと言うたけどそれは誰なんや?
(端末)(良衛) 斧江忠之さんだ。
忠之?
拓三さんの父親だ。父親?
もう随分前になる。
私と彼は雪の函館で出会った。
(斧江忠之)((うわっ!))((倒れる音))
(良衛)((ん? あっ…))
((だ 大丈夫ですか?))
(忠之)((ああ 私の不注意だ))
((冬の海が見たくてね))
(良衛の声)曽祖父の導きとしか思えない
運命的な出会いだった。
以来 忠之さんの人柄に引かれた私は
<ツエ>
足にケガを負って杖が手放せない彼の相棒となり
圭三郎氏の宝を探した。
《この顔 どこかで…》
《あっ!》(端末)(良衛) だが忠之さんは
宝の在りかを突き止めることなく昨年 病気でこの世を去った。
あることを託して。あること? それは何だ。
宝の破壊だ。
えっ…!?
斧江忠之は宝を隠した圭三郎の息子です。
彼はなぜ宝の破壊を望むのですか?
忠之さんは 父親の残したものの行く末を憂い
恐るべき遺産を始末しようと
かん…。いいかげんなことを!
(アフロ) ボス 今はまずい!
撃ちたければ撃て!だが私の意志は止められんよ。
フフ… いいかこいつの命を助けたかったら…。
(端末)(カドクラ)斧江家の宝を持ってこい。
ばか言え!われわれは取引などしない!
(端末)(カドクラ)そんなことを言ってられるかな?
(爆発音)
ば… 爆発!?
(端末)(カドクラ) それと同じ爆弾を
函館市内にいくつか仕掛けておいた。
(端末) 24時間以内に宝を持ってこなかったら…。
分かるよな?(端末)(通話が切れた音)
街が人質というわけか。
(聖) <取り調べ中 すいません>
お手洗いに行かせてもらえませんか?
(警官) ああ すぐに済ませろよ。
函館市立病院だ! 急ぐぞ!(警官) ああ!
(ドン!)(警官) <うっ…!>
(心電計の音)
お父さん…。
ん…。
ん…!
お父さん…!
(ドアの開閉音)フゥ…。
フッ。
(英語)
(電話)(通話を切る音)
(警官) こちらで立ち止まらず速やかに直進お願いいたします!
(小五郎)<おいボウズ こっちだ>
中森警部の意識が戻ったんだって?
うん まだ面会はできないけど。
そっか でもよかったね。
ありがとう 心配してくれて。
<コトヅテ>
それと お父さんから言伝が。
言伝?はい。
撃たれた斧江拓三って人が気を失う前に
お父さんに言い残したみたいで。
「まちだしょうとくのにっき」って。
日記か… あっ。(走ってくる足音)
(看護師) 廊下は走らないで!(走ってくる足音)
す すみません!
どうかしたのか?今 西村警部から連絡があって
福城 聖が逃げたそうです!
何だと!?(川添) 行き先は不明とのことで。
…ったく あれやこれや一遍に起こり過ぎだろ。
行くぞ!はい!
(看護師)だから廊下は走らないで!
(川添:小五郎) すみません!
聖のヤツ 何でや?
もうちょっとおとなしゅうしてたら
自由になれたはずやのに。
おとなしくしてたら間に合わない何かがあったんじゃねえか?
そういうたら…さっきの良衛さんとの通話で
気になる言葉があったんや。
「だが私の意志は止められんよ」
…だろ?それや。
早く気付くべきだった。
忠之さんの意志を良衛さんが継いだように
良衛さんの意志を継ぐ者がいる。
それが息子の聖か。
畳に残されていた星のマーク。
あれは 聖さんに何らかのメッセージを伝える手段だったのかもな。
ん?
…って 何?
君 青子の幼なじみの男の子の小さい頃によく似てるな~って。
そ そうなんだ。うん! ソックリ!
(電話)(園子) あれ? ガキンチョどうしたの? いきなり。
園子姉ちゃん。(電話) なぁに~?
目録に本がないって言ってたよね。
(電話) そうなのよぉ結局 見つかんなかったんだけど。
その本の題名 分かる?(電話) 題名?
(電話) え~っと 何だったっけ…。
(電話) 確か 昔の日記。
<マチダショウトク>
(電話) 町田正徳って人の。
(電話) 函館戦争の頃 函館で海産物の卸問屋をやってた人よ。
そんな人の日記がどうして斧江家に?
町田正徳は 何度か土方と会ってたみたいなの。
そして そのことを日記に書いた。
でも今 手元にないんだよね?
(電話) ヘヘ… 鈴木財閥の力をナメちゃダメよ。
本物は ないけどその本を斧江圭三郎に売った
元の持ち主を見つけたの!そしたら…。
(電話) その人がコピーを持っていたのよ。
ホント!? それ送ってもらえる?ホンマか!?
(電話) OK データ化してあるからすぐ送るわ。
ありがとう!
誰の仕業かは分からへんけど星稜刀を盗んだヤツやったら
本も盗んでるかもしれへんっちゅうことか。
ああ 収蔵品の中から本だけが消えてるってのが気になってな。
(電話)(振動音)おっ さすが園子姉ちゃん。
仕事が早いのぅ。
あっ これだ。
正徳が土方に刀を献上してるな。
「雪 夜半 土方殿へ」…。
(コナン:町田の声)「星稜刀 お送り奉り申し上げ候」。
<コレ>
(町田の声) 「是ハ五稜郭築城の
<ナリ>
折り つくられしもの也。
<シカ>
而して官軍の襲撃ニ遭ひ」。
(町田)((うわぁ…!))
((斬り合いで重んじるは千変万化 臨機応変!))
(政府軍)((ぐがぁ!))
<トラ>
((技に囚われず 何が何でも勝つ
…という気構えよ!))((ぐわっ!))
♪~
(土方)((悪いが その刀をもらうわけにはいかない))
<カネサダ>
((俺には兼定があるのでな))
((フッ))
(コナン:町田の声)
<タダイチニン>
「土方殿ハ唯壱人ニテ
<ソノバ>
其場を収められ候」。
これだけじゃヒントにもならねえ。せやな。
(歩美) <コナンく~ん!>ん?
おめぇら 思ってたより早かったじゃねえか。
探偵団の緊急招集とあらば何をおいても駆け付けます。
《まぁ用があったのは阿笠博士だけなんだけどな》
のんびりしてる暇は ねえぞ!海鮮丼にジンギスカンも食べなくちゃな。
(光彦) はい!(歩美) うん!
その前に博士 頼んだものは?ああ バッチリじゃ。
(歩美) ねぇ コナン君 見て!
これ 駅で押してきたスタンプ!
ん? あっ…。
♪~
♪~あ…。
♪~
(歩美) コナン君?
<ミチシルベ>
服部 これが道標なんじゃねえか?
ああ俺も今それに気付いたとこや!
いよいよ覚悟 決めなアカンようやのぉ…。
(カドクラ) ああ 今日の夜7時。
場所は五稜郭?
分かった。
(蘭)和葉ちゃん この後どうする?
ロープウエーとか ええんちゃう?
(電話)(着信音)あっ 平次からや。
(電話)(着信音)
もしもし~? どないした?事件は解決したん?
まだやけど… どうやら夜にはカタが付きそうや。
せやから今晩函館山で待っといてくれへんか?
え? 函館山?別に構わへんけど。
絶対やぞ。
カタ付いたら何があっても行くからのぉ。
分かった 待ってる ほな。
♪~
♪~今のところ異常ありません。
♪~
(バイクの走行音)お前 止ま…!
うわっ!
(紅葉) ええか? 伊織。
もし平次君が100万ドルの前で告白なんか始めたら
絶対に阻止するんやで!
承知しております お嬢さま。
そのために 必要なものを取りそろえてございます。
頼りにしてるで 伊織。
何だ? ガキが2人 来るとはな。
君たちは…。
うっ…。じゃあ教えてもらおうか。
宝は どこだ?
フッ まだ分からん。
これからその場所を見つけるんだから。
(電話)(振動音)ん?
(カドクラ) 気球?
戦時中 斧江圭三郎が
ここで気球を飛ばした目的を考えてみるんや。
ポイントは3つ。
気球の床がガラス張りになっていること。
圭三郎本人が刀を持っていること。
自ら気球に乗り込み望遠鏡で何かを見ていること。
刀というのは 東照宮から消えた星稜刀とかいうやつか。
(コナンの声) その通り結局 見つからずじまいだがな。
(カドクラ) 刀なしに宝の在りかを突き止められると?
そんなばかな。
まぁ 見てなって。
<>
これが何だ?
戦時中 一晩だけ五稜郭が燃えたっちゅう話がある。
この絵が そん時のことを描いたもんやったとしたら。
やってくれ。
(手下たちのざわめき)
♪~
何だ これは。
ん…?
(手下たちのざわめき)
コナンく~ん!バッチリ準備しておきましたよ!
待ちくたびれちまったよぉ…。
さぁ とっとと済ませてくれる?
わ~ってるよ。
一体 何をしようと…。
土方歳三を崇拝していた圭三郎は
宝の隠し場所を考える際にも土方ゆかりのものを使ったんだ。
まずは この場所 五稜郭。
彼が たった一晩だけ使ったとされる刀 星稜刀。
そして恐らく 宝の在りかに最も関係してくるのは…。
高度だ。その高度を確認するために
使うはずやったんが星稜刀やけど今は もうない。
はぁ?でも代わりを見つけたんだ。
ヒントになったんは町田正徳の日記や。
土方が新政府の刺客を斬り捨てた様子が
事細かに書いてあった。
土方は2人を斬り捨て
続けて 後ろから来た3人目を
<ビョウブ>
振り向きざま 屏風ごと刺し貫いたとある。
人を斬って 鍔に血が付いた。
その刀で屏風を貫いたらどうなると思う?
こうなるのさ。
本は盗まれてしもうてたけど
収蔵品の中にその時の屏風は残ってたから
写真撮ったら型は取れる。
(コナンの声) 刀は五稜郭完成を記念して作られたもので
鍔の星形は五稜郭を正確に再現している。
(平次の声)ここで さっき見せた気球の写真。
圭三郎さんが刀を突き立てたんは
多分ガラスの床の真ん中や。
<ヤイバ>
日本刀の刃は平均およそ70cm。
星稜刀も まぁそのくらいやろ。
だけど本当に重要なのは刃の長さではなく
鍔から目までの距離。
星稜刀の目釘穴の周囲には
人の目のような模様が付け加えられてたらしい。
そこに目の位置を合わせるとして
打刀の場合 鍔から目釘穴までの長さは約 指4本分。
(コナンの声)この位置から見て 鍔の星形と
五稜郭の外堀の大きさがピタリと合う地点。
それが求めている高度さ。
ん! ここじゃ。分かったわ。
何だ あの高さに何が…。
いや まさか…!
函館で この高さにあるものはたった1つ。
次を頼む。
♪~
<ツブラヤ>
円谷君 今よ!はい!
♪~
(カドクラ) どけ!
な… は… 函館…。
そう。
斧江家の宝は
函館山にある。
あれ?何か あっちの方 明るない?
そう?お祭りでもやってるんじゃない?
ちょっと行ってみよか?(蘭) あぁ…!
和葉ちゃんはここから離れちゃダメ!
服部君が来るんでしょ?せ せやな。
こっちは約束 守ったんや。
まずは爆弾の在りかを教えてもらおか?
(カドクラ) フフフ…。ん?
フフフフフ…。
甘いな!
爆弾は全て爆発させるよ。
その混乱に乗じて お宝を頂き
日本を脱出するためになぁ!
ふんっ!
はっ!
(カドクラ) ナチョ!?
(ナチョ) ふっ…!
ナチョ てめぇ!
(ナチョ) フッ。
♪~
フン!
あっ!あっ!
(うめき声)
キッド! やれ!
(トランプ銃の銃声)うわっ…!
あっ アカン!
(沖田) 服部!
おおお~~!
ふんっ!(手下たち) うおぉ…!
ん… イテテ…。
ぬぅ… 邪魔だ!(ナチョ) ボ ボス すいません。
マヌケ!良衛を連れてこい! 行くぞ!
(沖田) や~! て~い!
(手下) がっ…!
はっ! てやっ!(手下) ぐあっ!
俺も交ぜてくれへんか?遅いで 沖田。
<おらぁ!>(手下たち) おわ~!
何や あれは…。
えらい強そうなんがおったから連れてきたんやけど…。
<オニマル>
(鬼丸) 悪いヤツが大勢いると聞いて やって来た。
フッ。
お前らかぁ~!
(手下たち) ぐあっ!
えい! おりゃあ!
(木刀を振るう音)(手下たち) ぐわっ…!
誰? あの人。さぁな。
(車の走行音)
カドクラ! おい 工藤!
ぐっ…!ていっ!
歩美!
コナンく~ん!!
♪~
おぉ おぉ スゲェな!(トランプ銃の銃声)
(手下) わぁ~!
(沖田) うっ…!
ふんっ!
(バイクのエンジン音)あっ… 服部?
すまんけど 決着つけなアカンヤツがおんねん。
この場は頼むわ!
おう 任せてや。
(車のスキール音)
《このままじゃ
追い付けねえ!》フッ。
ん…?
止まれぇ~!
(スキール音)
服部平次!どうしてここが分かったんだ!?
ハッ! バイクに発信機を取り付けといたんや。
クソっ。
ふっ! うっ…!
あっ…!
♪~
(伊織) お嬢さま。ん?
(伊織) 函館の病院で車が爆破されたようです。
他にも 同様の予告があったとも。
何や えらいことになってしもたなぁ。
これやったら平次君告白どころやあらへんな。
ん? あれは
いつも平次君と いてはる…。
うっ…!
よし 伊織 援護や。
かしこまりました。
♪~
ふんっ!
(爆発音)(スキール音)
(爆発音)
(スキール音)うっ…!
♪~
♪~うっ…!
♪~
いた!
ねぇ あれ!
ぐ~~…!
おい 子供だぞ!
えいっ…!
カッコいい~!カッケェ~!
♪~
あそこか。
くっ…!
《ごっつい量の火薬を積んどる》
《こんなんが函館山で爆発したら和葉が…!》
(衝撃音)うっ!
服部!
やぁ~~!!
うおっ…!
ぐっ… 何だ!?
(テレビ)(アラーム)
(手下) うっ…。
(沖田)久々にオモロかったなぁ 五稜郭。
ここにおるだけで何や気合 入ったわ。
((沖田ァ!))えっ!?
(鬼丸) 帰るぞ。
へ~い。
うわぁ! くっ…!
このアホ! 止まらんかい!
(扉が開く音)ん?
しつこいヤツ!
♪~
この先か。
うっ…!
いっけぇ~~!!
うっ…!
(花火の音)(カドクラ) <うっ…!>
(スキール音)(衝突音)
(花火の音)
今 でっかい花火 鳴ったよなぁ?気のせい 気のせい。
うっ…何で あのガキの方が先に…。
ん?
ふっ!
ぬおぉ~!
ぐっ! うっ…!
何なんだ お前は~!!
あっ…!
(カドクラ) おわっ!
ぐあっ。
(ナチョ)ボ… ボスに近づくんじゃねえ!
うっ!
ひぃぃ~…!
うぅ…。
病に侵されようと 貴様らごとき。
やはり あんたが久垣弁護士を殺害したんだね。
福城良衛さん。
私の太刀筋を見るためにわざと やられたフリを?
フッ。
(良衛) だが 私に居合の心得があることは聖以外 知らないはず。
居合をやってる人ってよくここを切っちゃうでしょ?
(コナンの声) 薬を飲む時ちらっと見えちゃったんだ。
フ… 見事な観察眼だ。
それにしてもボウズお前は 一体 何者だ?
江戸川コナン 探偵さ。
<>
く…。
この爆薬でお宝ごと消すつもりか!
(聖) 親父の信念を継いだまでのことだ!
何が信念じゃ!お前は親父とは違う。
こんなことする必要がどこにあるんや!?
俺の母は 医師として戦場に行きそこで死んだ。
子供たちを守ろうとして敵の爆撃でな!
兵器は人を滅ぼし
<ヨコシマ>
金は人を邪にさせる!
お前の夢はええんか!?
母親の後継いで医者になるんと違うんか!
もう忘れたよ。
忘れんなや。
アホが!
病死した忠之さんは
父・圭三郎さんが隠した宝の処分を あんたに託した。
東窪榮龍の情報を流したのはあんたなんだね?
その通りだ。
東窪の名は 忠之さんだけがつかんでいた情報だった。
案の定 それにつられて拓三やカドクラが現れ
争奪戦が始まった。
あんたの目的は ヤツらに宝を探し出させることだった。
私も無理が利かない体で頼れるのは聖 1人。
自力で宝を探すのは無理だったからな。
(コナンの声)久垣弁護士を殺害したのは
息子の聖さんを警察にかくまうためだよね?
(良衛) カドクラたちはいずれ私に目をつける。
その時 真っ先に狙うのは聖だ。
だからあえて息子に ぬれぎぬを着せ
取り調べを受けるようにしたんだ。
警察の中じゃ 誰も息子さんに手を出せないからね
鞘をすり替え 被害者の指紋を付け証拠をねつ造した。
しかし こんなことのために人1人の命を奪うなんて。
雇い主を裏切り カドクラに刀を売りつけようとしていた男だ。
同情に値しない。
久垣を殺した後 奪った刀をわざとカドクラに送りつけた。
ヤツらが宝を見つけたところで
もろともに消し去るつもりだったが。
キッドを襲ったのも あんただね。
久垣から奪った刀に発信機を仕込んでいたから
後を追えた。
あんたは車の運転もできるしな。
そこまで どうして分かった?
忠之さんは足のケガで杖が手放せなかった。
そう言ったのは あんただぜ。
(コナンの声) 車の運転なんかできなかったはずの忠之さんが
あちこちに出かけられたのはなぜだ?
運転手がいたんだ。
忠之さんの ただ1人の相棒。
つまり あんたがね。
フ… お前たちや妙な怪盗が絡んできたのは
計算外だった。
しかし 結果は変わらない。
宝は炎に焼かれてこの世から… 消える。
《あ…!》
《炎に焼かれてって まさか…!?》
おぉ~~!おぉ~~!
♪~
うわっ!
あっ…!
ぐわぁ…!
あっ! あぁ…!
うわぁ!
服部!!
くっ… うわぁ…!
うっ… あっ!
和葉ぁ~~!!
キッ…。
キッド!キッド!
しっかりしろ 西の名探偵。
うわっ!
♪~
あの山には お前の大事な人がいるんだろうが!
ふっ!
これでキスの借りは帳消しだからな!
♪~
(和葉) 来んなぁ 平次…何かあったんやろか?
ねぇ 何あれ?ん?
飛行機 かな?
ハァ… ハァ…。
ハァ… ハァ…。
フゥ…。
(聖) う…。
あぁ! うっ…!
うっ!
くっ…!
おいっ! 起きろっちゅうねん!
ぐっ! 動け~…!
おいっ! 起きろや!
早 何とかせな…!
ん?
あっ…。
これか~!
(爆発音)
(衝突音)
何!?何やの!?
セスナが山に突っ込んだ!みんな逃げろ~!
(悲鳴)
聖!
大丈夫。
聖さんは無事みたいだよ。
(良衛) そうか。
(足音)ん…?
フゥ…。
た 宝… 俺の宝だ。
誰にも渡さん!あっ!
(銃声)
(カドクラ) ぐぅっ…。
フッ。
<>
…っと。
かつて函館山は軍事施設として
一般人は入山できない場所だったらしいけど…。
それで こんなものが…。
(良衛) こ… これは…。
な… 何だ これは!
これは昔の暗号機だね。暗号機?
大戦中に使われてた有名なやつさ。
これは日本式に改良された試作品じゃないかな。
そして 周りに並んでるのが暗号解読機。
斧江圭三郎の言うお宝の正体さ。
戦時中は これでいろんな国の暗号を解読してたんだろうけど
敗戦で接収されるのを防ぐために隠したんだろうが
今じゃもう使い物にもならない。
これ1台の方がはるかに優秀ってわけね。
こっ… こんなもののために…。
こんなもののためにわれわれは…!
<ドウコク>
(慟哭)
で? おめぇは求めていた答えは見つかったのか?
フッ 見つけたよ。
《見つけたけど
<ト>
盗らなかったんだよな》
《親父》
(川添) 警部~!ん?
西村警部~!
おっ… おい川添! 車!
(衝突音)(川添) あぁ!
またやっちゃった わやだ。
警部! 休暇から戻ってみたら大騒ぎになってて
ビックリしました!何が起きたんです?
休暇だと?はい。
商店街の福引で 2泊3日のミステリーツアーが当たっちゃいまして。
ツアー中はスマホの電源も切っておくことになっていて。
何だと!? あっ!!
じゃあ ずっと一緒にいた川添は一体…!?
<パラシュートだ!>ん?
(どよめき)
うわっ!平次が空から降ってきた!
(蘭)《すごい! すごいよ服部君!》
《天から舞い降りた王子さまみたいだよ~!》
平次!
ん…? 和葉!
(ビシっ!)うっ!
あっ! 聖さん どうしたの?あぁ大変 手当てしなきゃ。
ガンバ。
(和葉) 平次… 何してたん?心配しててんで。
悪い 思ったより手間取ってしもてな。
そ… それで…。(和葉) 平次 こっち来てみ!
この上から見る夜景がメチャメチャ キレイなんやで!
お… おい 和葉!
(和葉) な? キレイやろ?
平次にも見せてやろ思て。
平次?
和葉。
あらかた片付いたみたいやな。
それにしても 何ですの? それ。
スタングレネード 目くらましですここのピンを…。
(紅葉) あっ!あっ!
(2人) あ。
和葉…。(スタングレネードが落ちた音)
ん?ん?
あっ! アカン 平次!
あっ…!
(爆発音)あっ!
(どよめき)
おい 和葉!
しっかりせぇ 和葉!
ん…。
平次… 無事でよかった。
和葉…。
なぁ 和葉。
人にはな大概 動機っちゅうもんがある。
人が その人を殺す動機。
人がその夢を目指そうと思った動機。
ほんで
人がその人を好きになった動機や。
俺は 探偵やのにその理由が説明できへんねん。
カッコ悪いけど… そのくらい好きで たまらんのや。
和葉… お前のことが!
♪~
♪~
♪~
♪~
♪~
♪~
おい… 和葉 何とか言え!
(キ~ン…)和葉!
ごめん平次! 今 何言うたん?は?
えぇ!?
さっきの爆発で何にも聞こえへんねん。
まぶしくて涙も止まらへんし。
そら スタングレネードのせいや。
放っておいたら まぁ治る…っちゅ~か…。
聞いてへんかったん
か~い…!
何や知らんけど ケガ人はいてはらへんみたいやし。
伊織 撤収や。かしこまりました お嬢さま。
(ヘリコプターのプロペラ音)ん?
(有希子) <えっ 兄さん!?>
優作に兄弟がいたの?
ああ まだ物心がつかない頃に両親が離婚してね。
私は母に引き取られたんだが
父に連れていかれた双子の兄が…言わなかったか?
初耳だよ~! 何 何?今でも会ったりしてるの?
ん~… 私は20年以上会ってないけど
君は会ったことあるんじゃないかな?
ウソ! 誰 誰?
優作と同い年だから小五郎ちゃんなわけないし…。
たまに贈り物をくれたりもする。
この前はマカデミー賞のお祝いにと古い刀を送ってくれた。
刀?
あぁ!床の間に飾ってある あれね。
さびついてて抜けないから
背中かくのに ちょうどいいのよねアハハハ…!
フフ… それより『ナイトバロンシリーズ』 最新作の
感想を聞かせてくれないか?(電話)(振動音)
読んだんだろ?
フッ。
(電話)(振動音)
フフっ。
♪~
♪~フッ。
♪~
(小五郎) 『金曜ロードショー』をご覧の皆さま。
毎度お騒がせ私 毛利小五郎であります。
私主演の 劇場版
<セキガン フラッシュバック>
『名探偵コナン 隻眼の残像』が
ついに 本日 公開いたしました!
そこで景気づけに私がお楽しみの道標を
映画の映像で生解説させていただきます!
何といっても この映画長野で起こった大事件に
私 毛利小五郎が挑むというとても素晴らしい…。
あぁ! ここのシーン!
いやぁ お恥ずかしい!私の若い頃の写真ですなぁ!
しかし この頃からイケメンオーラが…!
(コナン) おっちゃんに任せるんじゃなかった…。
(小五郎) あっ ここのシーン!
スタイルがいい! 脚 長い!
タートルネックが似合う! ハハ!(コナン) おじさん 代わって!
<ヤマト カンスケ>
今回は 長野県警・大和敢助警部にまつわる物語。
彼が隻眼となった理由が初めて明かされるとともに
公安警察を巻き込んだ
日本を揺るがしうる大事件に発展していきます。
(小五郎) そして ここで…!(コナン) あぁ…。
(小五郎) 今作 主題歌をご提供いただきました
<キングヌー>
「King Gnu」さんからもこの後 公開の
ミュージックビデオにまつわる映像が届いているようです!
それでは どうぞ!
見た目はド派手 中身は庶民的。
真実は いつも ひとつ!
(小五郎) 何だ? 今のは。
ん? まさか…!
「King Gnu」さんから私への挑戦状!?
窓のない密室にサングラス!
これは私の 映画での活躍がまぶし過ぎたという
ファンレターに違いない!(コナン) スゲェな この人。
(小五郎)彼らのミュージックビデオは
この後 23時半に解禁となるそうですぞ!
(蘭) お父さん放送時間 終わっちゃうよ?
(コナン) 劇場版『名探偵コナン』…。(小五郎) こら! どけ! 小僧!
私が主演の映画『名探偵コナン 隻眼の残像』は
本日 公開となりました!
(コナン) 映画館で見てね!
(小五郎)締めの言葉は俺だろうが!
お前は いつも大人の邪魔ばっかりしやがって…!(蘭) もう…。
みんな 待ってるね!